The Minimalist Program 5 周目【モチベーション記事】

YouTube で、「モチベーション動画」といタグが付いたビデオが、よく再生されているようです。

僕自身、そうした類(たぐい)の動画を見たことはありません。まして、そこからモチベーションをもらうことなんてありえません。

しかし、世の中的にはこうした物に需要があるようなので、僕もあやかってみます。

Cambridge Grammar 読破

僕は、音読したりするのが苦手で、長続きしません。しかし、文字を読むのは、何故か長続きします。

そんなわけで、ここ2年くらいは生成文法関連の論文をよく読んでいます。

もう、和書を読まなくなって久しくなります。『週刊ヤングジャンプ』を和書としてカウントできるのかで、最後に読んだ和書が変わってきます。

2年くらい前は、よく洋書を読んでいました。

僕が読んだ中で、一冊の本として最も文字数が多いのは、これ(↓)です。

Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum (2002) Cambridge grammar of the English language. Cambridge: Cambridge University Press.

重さ3㎏、本編だけで1700ページ以上あります。

僕は、(索引などを除き)この本を読破しました。大学院に入る前の話です。

これを読み切るのは、さすがの僕でも大変でした。ただし、自分の力にもなりました。

ただし、これしきの物を読んだくらいで実力が上がるほど、世の中は甘くありません。

というか、自分の IQ が低すぎて、おそらく他人の1000倍くらい努力しないと、実力が伸びないというのが正しい認識でしょう。

よく、スポーツ選手などが、「自分は才能がないから、他人の10倍頑張った」という話をするのを、テレビで見ます。

しかし、僕はこういう話を聞くたびに、「たった10倍で良いんや。楽やな~」と思います。

そんなもんです。みんな甘い世界で生きすぎです。

The Minimalist Program に散る

その後、生成文法をするということで、Noam Chomsky の著作を読む必要が生じました。

僕の場合は、誰も生成文法を教えてくれる人が周りにいないので、Chomsky の著作が読めなければ、それで終わりです。

ちょっと古いですが、彼の著作で必ず読んでおかねばならない物は、The Minimalist program です。

Cambridge Grammar を読み終えたばかりのころ、僕は Minimalist Program に挑み、負けました。

あまりの難しさに、途中で読むのをやめてしまったのです。

石の上にも3年

それから、とにかくがむしゃらに努力してきました。

もっとも、何か特別なことをしたことはありません。

とにかく、多読を続けました。繰り返しになりますが、自分は、何故か本を読んだりと、文字を読むのが好きなので、それだけは続けることができました。(自閉的?)

多読総量は、4500万語 ⇒ 5000万語 ⇒ 6000万語 という風に、伸び続けました。

僕の場合は、健康面の都合で、勉強できる時間が決まっています。そもそも、勉強がほとんどできない日もあるくらいです。

なので、とにかく出来るときに、できるだけやりました。

そうしているうちに、参考文献リストは徐々に伸びていき、実力も伸びていきました。

References (Linguistics) – 言語学研究家・Hiroaki (linguist-ht.com)

The Minimalist Program で散って2年半くらいが経ちます。

今では、Noam Chomsky の言語学に関する著作は、8割くらいを読破してしまいました。

また、残念なことに、The Minimalist Program は、Chomsky の著作の中でも、割と簡単な方であることも分からされました。

例えば、”On Phases” 等、2000年代の論文の方が The Minimalist Program (1995年刊行)より難しいです。

今では、休憩代わりに「Minimalist Program でも読んどくか」とか、そういうノリで読む本になりました。

この本は一種のアイデア集であり、僕のように筋が分かっている人なら、最初から読まなくても。任意のページを読むだけで、著者のアイデアと触れ合うことができます。なんと素晴らしいことか。

2年半前は手も足も出なかった本ですが、今では、まあ何とかなっています。

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カテゴリー: Hiroaki

作成者: hiroaki

高校3年の時、模試で英語の成績が全国平均を下回っていた。そのせいか、英語の先生に「寺岡君、英語頑張っている感じなのに(笑)」と言われたこともある。 しかし、なんやかんや多読を6000万語くらい積んだら、ほとんどどんな英語文献にも対処できるようになった。(努力ってすごい) ゆえに、英語文献が読めないという人は全員努力不足ということなので、そういう人たちには、とことん冷たい。(努力を怠ると、それが正直に結果に出る) 今は、Fate Grand Order にはまってしまっていて、FGO 関連の記事が多い。