Stowell (1983) “Subjects across categories” が重要文献だということは、以前から聞いていました。
中身を読んでいない以上、どういう現象を扱っているのかは、はっきりとは分かりません。
ただし、Stowell (1983) を参照した文献から、どうやら there be 構文を扱っていそうだということは分かります。
今日は、この Stowell (1983) を入手しようとネットサーフィンをしていました。しかし、そもそも検索してもヒットしません。
こうなってくると、買う買わないというレベルの話ではありません。
例えるなら、アマゾンでいくら検索しても、自分の欲しい商品が出てこない感じです。
Stowell (1983) は、Linguistic Review という雑誌の Vol. 2, Issue 3 に載っているそうです。
検索してもヒットしないので、この Linguistic Review という雑誌の web サイトに直接アクセスしました。(下のリンクからアクセス可能です)
The Linguistic Review (degruyter.com)
さすがにこうすれば、当該の論文は入手できるだろうと、高をくくっていました。
しかし、このサイトでも、Vol. 2, Issue 3 が表示されていません。
Issues というタグをクリックして確かめてみると、何故か Vol. 2 だけ、Isssue 3 が表示されないのです。(表示されない以上、買うことすらできない)
何故こうなっているのか、僕には良く分かりません。
しかし、この論文を求めて、今日は1時間くらい無駄にしました。
無駄にした時間は痛手ですが、収穫もありました。僕は今まで Stowell という人の論文を読んだことがなかったのですが、おかげで彼の著作について詳しく知ることができました。
ネットで検索して、すぐに目的の論文を入手できていたのなら、ここまでしっかりとは調べなかったでしょう。
Stowell は高名な生成文法家らしく、著作がよく参照されています。
(著作がよく参照される=優れた学者とは限りません。YouTube で視聴回数が多い=面白い動画とは限らないのと同じです。
また、Stowell は1980年代という、「生成文法黄金期」に論文を発表していたこともあり、追い風効果も働いたのでしょう。
こういう要素があるので、よく参照されているかどうかは、あくまで YouTube における視聴回数くらいの指標にしか使えません。
しかし、他の生成文法家が皆知っているような文献を、僕だけが知らないと、まずいでしょう。)
Stowell の最も参照されている文献は、彼の MIT での博論です。
Stowell (1981) “Origins of Phrase Structure” が、そのタイトルです。(以下のリンクから無料で入手可能です)
The Linguistic Review (degruyter.com)
生成文法家だけあって、やはりゴリゴリの理論系の論文が多いです。しかし、Irish (アイルランド語)での繰り上げ構文について等、個別言語の面白そうな論文もあります。
目的の論文が手に入らなかった以上、代わりにいくつか彼の論文をダウンロードしてみました。どれも面白そうです。