1 やりすぎて、素人にアドバイスしづらくなってきた
昔書いた英語多読に関する記事が、今でも見られています。
そして、継続して収益を上げ続けています。
大体、一週間に広告費だけで2ドルくらい、物品購入も入れると、1000円くらいの不労所得を生んでしまっています。(ほかの記事も入れると、収益はもっと多くなる)
(参考↑)広告費だけでこんな感じです。
(参考↓)物品販売だと、下くらいの収益です。
当時は、金が欲しくて、読者受けしそうなトピックで、それなりに誠心誠意を込めて書きました。
確かに、洋書や英語論文を読めるようになりたいという需要は、尽きることがないでしょう。
需要が尽きないところで戦っていると、安定した収益が見込めるようです。それを、身をもって分からされました。
ただ、最近になって、悩んでいることがあります。
僕自身、洋書を読むのが当たり前になってしまっており、読者との感覚のズレを感じる
僕の専門分野的に、英語文献以外は読みません。
これが当たり前です。翻訳は基本的に宇宙語ですし、翻訳でなくとも、専門的な内容を和訳すると、わけがわからなくなります。
僕の周りには、(迷惑なことに)「翻訳を使えばよくない?」という人もいます。
しかし、僕からすれば、それは不可能です。
じゃあ、試しに、MERGE ってどう訳しますか?
Merge とは別物ですよ。
そんなわけで、英語文献以外は、今のところ読んでいる余裕がありません。
きっといいものもあるのでしょうが、そこまで当たる時間的余裕がないのです。
ちなみに、昨日は McInnerney, Andrew (2022a) The argument/adjunct distinction and the structure of preposition phrases. Doctoral dissertation, the University of Michigan.
を読みました。400ページくらいあって大変でしたが、3日くらいかけて、ほぼ全体を読み終えた(と信じています)。
長いですが、しょせん博士論文です。なので、20代後半の「ペーペー」が書いたものです。
60代や70代の重鎮が書いたものとは、難易度が根本的に違います。
この分野は、勉強が進んできた人が書いたものほど難しい傾向にあります。
例えば、10年しか勉強していない人と、50年もやっている人では、説の厚みが違います。
50年分の仮説をかみ砕いて理解するには、相当な咀嚼力が必要です。
また、今朝は、朝5時に起きて、10時までかけて、Cinque, Guglielmo (1999) Adverbs and functional heads: A cross-linguistic perspective. New York: Oxford University Press.
を半分くらい読みました。
結局イタリア人が書いた本なので、英語が簡単です。そこに関しては、ストレスなく読めます。
また、このころの
Cinque は、まだ説がシンプルでした。カートグラフィーというアプローチの重鎮なのですが、この本を読んで「カートグラフィー」tってこういう取り組みなんだ」と納得できました。
逆に言うと、彼の後年の著作を読んでも、カートグラフィーについては、いまいちよくわからない可能性が高い。
まあ、こんな感じの生活をしているので、勧める文献も、それなりのレベルになってきます。
そして、悲しいことに、最近勧めている文献が、ほとんど売れません。
昔進めていた、Space (Oxford Bookworms Library. Factfiles, Stage 3) 等は、定期的に売れています。
なので、「あ、読者はこういうレベルなんだな」と思うこともあります。
なので、理屈の上では、このくらいのレベルのものを紹介していけばいいはずです。
しかし、僕個人の好みとして、やはり Chomsky, Noam (2008) On phases. In: Robert Freiden, Carlos P. Otero and Maria Luisa Zubizarreta (eds.) Foundational issues in linguistic theory: Essays in honor of Jean-Roger Vergnaud, 133-166. Cambridge, MA: MIT Press.
等を勧めてしまいます。ちなみに、これが売れたことはありません。
僕自身が頑張っているうちに、「これだけできて当たり前、これが読めて当たり前」という基準が高くなっていたのでしょう。
ちなみに、僕がやっている分野では、これを読めない奴は、無限留年ののち、放校です。
そういう世界です。
できなかったら放校(クビ)。
わかりやすくていいですね。
2この記事を書いたわけ