1,丸暗記には限度があるかも。
僕のように、普段から英語を沢山読む癖があればいいのですが、英語にあまり触れることのない人が、petulant(形容詞)「短気な、怒りっぽい」等、難易度が高めの英単語を覚えておくのは、厳しいでしょう。
昔の僕は、ひたすら単語集をやりまくって(200週くらい)、何とか覚えたものです。
そして、実際にCNN English Expressで用例を聞いたり、洋書を読んで実際の使用例に何度も出くわすことによって、こういった難易度の高い語を覚えました。
2,語源を利用してみよう。
ラテン語には、petere「突進する、攻撃する、求める、探す」(ペテーレと読む)という単語が存在した。
この単語からいくつかの英単語ができた訳だが、一番有名なのは、
compete(動詞)「競争する」であろう。con「一緒に」がついてできたので、この意味になった。
compete with each other for a prize 「賞のため互いに競争する」等で使う。
このcompete「競争する」に、-ion(名詞を作る語尾)をつけてできたのが、
competition(名詞)「競争」である。
keen competition 「激しい競争」や、a golf competition「ゴルフのコンペ」等で使う。
competent(形容詞)「有能な、充分に資格のある」は、compete(動詞)「競争する」ができるくらいに「充分に資格があり、有能」であるということである。
a competent lawyer 「有能な弁護士」、a competent teacher 「有能な教員」のように使う。
3,ラテン語petereから生まれたその他の英単語たち。
ラテン語petere 「突進する、攻撃する、要求する、求める、探す」からできた他の英単語は、
petition (名詞)「請願書」が有名。
file a petition「請願書を提出する」等で使う。
impetus (名詞)「推進力、はずみ、刺激」は、im(=in 「中に」)+petere「突進する、求める」からできた語である。
impetuous(形容詞)「激しい、性急な」等の関連語がある。
また、ラテン語petere「求める」は、per(ずっと)を前にとり、
perpetual (形容詞)「永遠の、絶え間ない」という単語を作る。
「ずっと求める」⇒「永遠の、絶え間ない」という意味の変化になる。
perpetual snow 「絶え間ない降雪」⇒「万年雪」というように使う。
ここで、今回の記事の見出しにあったpetulant(形容詞)「短気な、怒りっぽい」を解説しよう。
ラテン語petere 「攻撃する、求める」⇒「短気な」となったのだ。
また、repeat(動詞)「繰り返す」もラテン語petere「求める」からできた語である。
re(繰り返し)+petere 「求める」から、「何度もする」という意味になった。
(参考文献)
西山保(2001)『英単語を知るための辞典』英宝社
英単語を知るための辞典竹林滋 編 (2002)『新英和大辞典 第6版』研究社
新英和大辞典 第六版 ― 並装