1,まともな教科書は英語で書かれた物だけ
世の中の偉い人の中には、英語は必須ではないという人もいます。
大学教授にもいました。東進の林修先生もそういうタイプでしょう。
僕も部分的にはその考え方には賛成です。
英語より大切な勉強は当然存在しますし、英語さえやってれば大丈夫なんてこれっぽちも思っていません。
ただし、世の中には英語ができないと話にならない科目(分野)も存在します。
教科書、論文が英語で書かれた物ばかりの理系科目は特にそうでしょう。
文型科目ではありますが、生成文法もそういう分野の一つです。
日本語で書かれた生成文法の教科書は確かに存在します。しかし、意味不明です。
読んでいて、わけが分かりません。併合とか生起とか下接の条件とか難しい専門用語がどんどん出てきます。もはや宇宙語かとも思いました。
そこで僕は、英語の教科書を読むことにしました。
Andrew Radford という人が書いたものです。
たいへん分かりやすかったです。日本語で書かれた教科書とは雲泥の差です。
日本語で書かれた本は、どうしても専門用語を和訳する必要があります。カタカナでそのまま載せるわけにはいきません。そこで堅めの訳語が沢山出てきてしまうのです。
英語だと、専門用語一つ一つの意味がなんとなく分かります。例えばMergeなら、溶けて合わさっている感じ。
よって、普通に読み進めることができました。
具体的にどれだけ読んだのかというと、生成文法の教科書だけでこれだけです。
Radford, A. (1981) Transformational Syntax—A Student’s Guide to Chomsky’s Extended Standard Theory, Cambridge: Cambridge University Press.
Radford, A. (1988) Transformational Grammar – A First course, Cambridge: Cambridge University Press.
Radford, A (1997) Syntactic Theory and the Structure of English – A Minimalist Approach, Cambridge; Cambridge University Press.
Radford, A. (2004) Minimalist Syntax, Cambridge: Cambridge University Press.
Radford, A. (2009) Analyzing English Sentences – a Minimalist Approach, Cambridge: Cambridge University Press.
Radford, A. (2016) Analyzing English Sentences second edition, Cambridge: Cambridge University Press.
Radford, A. (2020) An Introduction to English Sentence Structure second edition, Cambridge: Cambridge University Press.
これだけ読みました。大変分かりやすく、楽しめました。
2,まともな専門書は英語で書かれた物ばかり
生成文法の全ての専門書を読んだわけではないので、断言はできません。
しかし、日本語で書かれたものでまともなものは、お目にかかったことがありません。
そもそも、僕はもう日本語で書かれた本自体読みません。
なので、ここらへんの発言は責任が持てません。
しかし、僕が読んでいる専門書の参考文献リストに、日本語で書かれたものが一切載っていないことからして、おそらくこれは確かなことなのでしょう。
生成文法を扱った専門書で大切なものは英語で書かれたものばかりです。
たまにドイツ語とかフランス語とかで書かれたものはあります。
しかし、専ら英語で書かれた物ばかりです。
ゆえに英語は必須です。
やっててよかった英語。